先日、石垣島に旅行したときに入手したイリオモテヤマネコの写真集がある。 ロボットカメラが捉えたネコは大きく目蓋を開いてはいるが、 暗闇のなかで、耳をそばだて全身でなにかを感じ取ろうとしている。 全力で生きる素晴らしさを感じながら写真集を見入っているうちにいつの間に寝入ってしまったのだろう。...
とても幸運なことに社会人となって30歳目前に哲学者の坂部恵教授(故人)の講義を1年間聴講することができました。カント哲学の第一人者にも関わらず、日本文化のお話を熱心に講義されていたお姿が今でも忘れられません。...
シロクマ実験とは,1987年にアメリカの心理学者であるウェグナー(Wegner, D. M.)により行なわれたという事です。シロクマは心理学的に特に意味を持たないという事で選ばれました。実験の内容は以下のようなものだったようです。 1.実験参加者を3つのグループに分ける。 2.各グループにシロクマの1日を追った映像を50分見てもらう。...
『白があるのではない。白いと感じる感受性があるのだ。 だから白を探してはいけない。白いと感じる感じ方を探るのだ』 最近はあまり本を読まなくなりました。 銀座で時間が空いてしまい、書店で見つけたら真白な装丁の手触りが良さそうで 手にとると、白い帯にそんな言葉が書いてありました。...
生存のために人は群、場を形成し、太古からの長い歴史を生きぬいてきました。 ネアンデルタール人は家族単位の生活をし、やがて亡び、人類の祖先と言われるホモ・サピエンスは集団としての社会を形成し、氷河時代を耐えたり、外敵から身を守るために生き延びてきました。...
いつ頃からだろう、男は何かが足りない気がしていた。 197X年 「I’m free!」とステージ上の男は叫んだ。 ギブソンレスポールはマーシャルアンプをフルヴォリュームにして大空に唸った。 野外に集まった多くの学生たちも腕を振り上げ何かを叫んでいた。 199X年 男の仕事だは順調だった。 ちょうど押しよせたインターネットの波に乗り...
生まれてから、当たり前のように思っていた。 自己と身体の一致現象。 時より幽体離脱だとか、金縛りだとか。 そんな話に改めて身体というものを考えたりはしたのだが、まあ、それっきりだった。 動法の稽古の中では、「双」という世界を扱う。 自己だけではなく、他者(自然)と共に動く。...
僕らの精神が関与しないところで、身体は呼吸し、消化し、睡眠を取り、どこかとリンクしているのではないでしょうか。 実生活と全く切り離された、あまりにリアリステックな夢は誰もが経験することでしょう。 例えば、行ったこともない場所での予期しない展開、そこでは会ったこともないと思われる人すら、生々しく出てきます。...
「動法」を何か体操のように考える方がいると思うが、そうではありません。 「動法」とは、自分の身体の裡の動きを観察しその動きと同化し身体を精錬させていくことです。 動きというのは変化とも言い換えられます。...
静寂な海に月影が投影される。 かつての皇族は、月を直接見るお月見ではなく、水面の光を見てお月見としたという。 水を通した月の影。 国会議事堂の中央に流れる通路の照明は 天皇が歩かれるとき、御体の影をうつさないようセッティングされていると聞いた。 あなたは、子供達の影踏み遊びを経験したことがあるだろうか。...