日々是好日

 稽古に来たれる方が興味を持ってみてくださるので、うれしくてお軸を変えてみました。

「日々是好日」

 

(大徳寺の11代管長 小田雪窓禅師の真筆)

 

 野口晴哉先生は多くの名著を残しておられますが、その中でも今では入手がなかなか困難になった「碧眼ところどころ」は奥が深く読めば読み込むほど名著だとわかります。

 私にとっては、読むと言うより、身体の中を何かが突き抜けると言う感覚の本です。しかも読む度にこの本は、新鮮で全く気がつかなかった光を当ててくれます。

 読み方によっては、ほとんど言い伝えとなってしまった野口整体の真髄、素晴らしさ、知見が、実はこうなのだと、まるで秘密の呪言を解き明かすように文間に散りばめられています。

 その中で、雲門文偃禅師の速度感を大変お好きなことが記されており、この禅語が紹介されています。

 

 この禅語は雲門師が語ったと言われています。

 この禅語は茶道を扱った同名の随筆(森下典子著)や映画(樹木希林出演)が人気を博し、お軸としてもとても人気があるものです。

 

 雲門禅師は、ある日、弟子たちに一句持ちよれとお話しされた後、いじいじする弟子たちの回答を待ちきれず、これまでの、15日間のことは問わず、これからの15日間をお前の言葉で持ちよれと話され、そして、この禅語を述べられたと碧眼録に書かれています。

 

 来年は、これまでの垢に塗れた自身の観念をぶち壊し、全く違った像を作りあげたいと思っており、このお軸を前にただただたたずむ年末です。

 

 小生にとっては、生涯の中でも大変な一年でした。これを成長の糧にできればと一日一日を迎えたいです。

 

 今年も、駒込稽古場雑感をお読みいただきありがとうございました。

 みなさまどうか良いとしをお迎えください。

 

2024/12/30 Sosuke.Imaeda