硬直する身体

 操法や個人教授をした後に、来られた方に時間があると色々とお話しをお聞きすることがあります。この日の方は社会を生き抜いてこられた何事にも熱心な方だったので、自然と目標と時間についての話になりました。

 

 「木枯し紋次郎」とか「風の又三郎」、「寅さん」、そして日本の元祖神と思える「素盞鳴尊(スサノオノミコト)」などは、きっと目標を持ってタイムスケジュールを決め、達成ステップをノートに記しながら、生きていく人生を送ったのではないと思います。

 私たちは学校で目標を持ち、達成することの大切さを教えられました。そういったことが今の社会システムにおいての教育の一環だったのでしょう。目標達成するには、知識(スキル)が必要であり、そのために詰め込みのような暗記もしてきたとように思います。目標を達成するために人生に与えられた時間を随分と消費したものです。

 「じっくり腰を落ち着けて考える」というフレーズは知識として知ってはいましたが、智慧を得るまでにはとても至りませんでした。

 

 真面目で、素晴らしいという名誉を得るために、人生の成功者と言われる立場を得るために、目標を持ち、一つひとつ達成し、そのために規則正しい生活をする。

 それが身体にとって自然だったのかと、老いて時間を得た今では反芻してしまいます。そうはいっても今の社会に適合していかなければならないのも事実です。

各々立場を考えれば「寅さん」には慣れませんからね。

 

そこでひとつの提案ですが、

 

一日だけ、朝起きてから寝るまで、ずっと縁側(ない人はベランダ)にいて庭(ない人は空)を見ながらずっと何もしないで過ごしてみませんか?本を読んだり、スマホをチェックしたりしたらダメです。心のto do リストなんか思い出すのはもってのほかです。

風に吹かれるだけです。

 きっと、温泉とか外国に行って、リラックスして気分転換したと思う、精神の休息では得られない、身体の休息、緩むという感覚を知ることができるのではないかと思います。

 

 近代システムと毎日戦っている戦士の休息ですね。

 

2025/4/17 Sosuke.Imaeda