いまの季節は藤の花が綺麗に咲いていますね。
近くの公園広場に立体の囲みのような簡易な休息処があります。枠に藤の幹が絡まり、藤の花の天井、そして柳のように花が垂れ下がり咲いていいます。
藤の花の独特ないい匂いが周りを包みます。
囲いの中に入ると、藤の花に包まれた感じです。そこは日を遮るので少し暗く、風が運ぶ花の香りがより引き立ちます。
ベンチに座りひとりぼーっとしていると、自分が藤の花になったように感じ、花と同化した私が客体を見、やがて私は客体と藤の花を互いに行き来するようになり、その場の空気に同化して三者は合体していくように思えました。
賢者は没入することの重要性を解きますが、没入するとは主体を隠していく現象でもあるように思えます。
今回は藤の花が没入の舞台を整えてくれたのではないかと思います。
ひとしきり時間が経って、藤の囲みから外に出ると、藤の花と相対しているいつもの自分に戻りました。
面白いので、何度か囲いに入ったり出たりしましたが、内と外の身体感覚の違いは、とても興味深かったです。
いつまでも、藤の花に囲まれていたかったのですが、時間は無常で、私は公園を後にしました。
人生は厳しいものですw
身体教育研究所では「双観」と「独観」という身体感覚を大切にしています。所長である野口裕之先生がはじめて提唱され、深められている思想であります。今回の雑感もそれと関係していると思います。ご興味のある方は5月に野口先生自らの本部公開講話があり、一般の方でもお話を直接聴くことができる貴重な機会となりますので、参加をお勧めします。
2025/4/22 Sosuke.Imaeda
身体教育研究所 本部公開講話(要予約)
【東京】令和7年5月10日
【京都】令和7年5月28日
https://keikojo.com/koukaikouwa_schedule.html