開門

 11月1日にお茶の稽古に行くと、先生の着物が鮮やかだった。

 11月、亥月は茶人の正月と教えていただいた。

 私がお願いしている足袋屋さんでも、10月末は新しい足袋の注文が多いと聞いた。

 お題の「開門」は茶杓の銘で11月に使われることば。

 

 11月は私にとっては地味な月で、思いつくことといえば、武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」くらいのものであったが、新しいことに思いを寄せる季節として、新たに11月を見直すことができた。

 この気候の中、古の人々は新たな年に向かい、自身の再構築の旅立ちをしたのかと思うと、涼しくなったと言うより、肌寒い風も心地いい。

私は道に埋め尽くされたイチョウの葉の黄金の光景がとても好きだ。そして五行では「水気」のはじまり、水が美味しい。腎臓を中心とした毒素排泄の時期でもある。

 

 冬の駒込稽古場では身体構築の基礎でもあり、大人になればなるほど楽をして使わなくなる股関節に着目して、そこから身体感覚を取り戻していただくような稽古をベースとしている。

 股関節を使うべき動きを、楽ができる重力負荷に弱い膝に肩代わり負担させ、多くの人の老化が早まっていると感じる。

 

 また、現代では使わなくなった胸腹腰部分の感覚を重視したお茶の稽古体験もできるので、ご興味ある方はお問合せ下さい

 

2024/11/21 Sosuke.Imaeda